国際交流?留学 International exchange and study abroad

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トビタテ!留学JAPANでスコットランド、フランスに留学しました

国際学部4年の竹内陽渚さんは、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」に採用され、スコットランド?ダンディー大学、フランス?サンジョセフ校日本セクションに留学しました。

本学における「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」採用関連ページはこちら

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【留学期間:2023年11月~2024年5月】
【留学テーマ:「日本の教室文化 」を変える計画~国際PBL参画のための「場づくり力」講座を創る留学~
受け入れ機関:ダンディー大学(スコットランド) / サンジョセフ校日本セクション(フランス)

留学先について

 私がトビタテ留学JAPANの奨学金制度を選んだのは、自由な留学だからこそ「自分のやりたい?学びたい」を深めることができるからです。留学に憧れはあるけど1歩踏み出す勇気がなかった私は、やるだけやろうと思い応募しました。受け入れ機関や国も自分で決めて動かなければならず、不安を抱えた状態が続いていました。それでも無事留学を終えることができたのは、応募期間を通して留学が憧れではなく自分の将来への大きな挑戦になっていたからだと思います。

留学に向けての準備

 今回私は7か月間の中で2か国に留学しました。スコットランドは緯度が高く、冬の夜は氷点下と寒く日照時間も短いため1日が短く感じる日が多かったです。基本的に大学へはバスで通学していましたが、晴れることが珍しいので、晴れた日は徒歩で通っていました。スコットランドには、現地に3か月以上住む11歳から26歳までの、誰でも無料で申請できるYoung Scot Cardと呼ばれる国民資格カードがあります。このカードは美術館や博物館の割引、また22歳以下の人はスコットランド全土のバス乗車無料など数多くのサポートを得ることができます。学生だけではなく、低所得者?高齢者の方々へのサポートも手厚く、老若男女問わず住みやすい地域だと感じました。住居は、インドから働きに来ていた人とダンディー大学に通う大学生とルームシェアをしていました。オーナーさんが週に2回来られたのでその時は、お互いの国や大学での生活について話したりお菓子を食べたりして交流もしました。物価が高いだけでなく、イギリスポンドは円安の影響を受けていたので、外食はほとんどせず自炊をしていました。

  • 雪が降った日

 パリは気候変動が多く、寒暖差で風邪をひかないように体調管理を意識していました。ちょうどサマータイムも経験し、初めは夜9時になっても明るく時間の感覚が狂う事もありましたが、慣れてくると明るいことをいかして、活動後にパリ市内で買い物をしたり食事に行ったりと毎日がより充実していました。オリンピックの前だったこともあり段々と仮設の会場ができたり、道路工事でバスの路線が変わっていたりと普段とは違うパリの姿も見ることができました。週末はマルシェで安く野菜や果物、海産物やチーズ、ハムなどを調達し、フランス料理を知人から教わったり、美術館を巡ったりと現地の文化に触れる機会を大切にしていました。

  • 夜10時のパリ 凱旋門から撮影

  • 知人とつくった手長エビのパスタ

ダンディー大学での活動と学び

 ダンディー大学では研修生として、日本スコットランド共同研究のチームに参画し、現地の中学校?高校で観察調査とインタビュー調査を行いました。現地の学校で教室の雰囲気や生徒と教員のコミュニケーションや関係性などを調べることで、日本の教室と何が違うのかを調査しました。それ以外にもインクルーシブ教育の観点から障害を持った生徒のみのクラスで先生方にお話を聞いたり、折り紙を使ってバレンタインのメッセージカードをつくったりと対話と交流も行いました。特に後半2か月は週に3~4日は現地の学校で多くの生徒さんや教師の方々と対話し、その後大学の研究室に戻って調査の内容を文書にまとめる日々を送っていました。研究を初めてする私にとって新しいことばかりですが、責任をもって活動をすることで、現地の学校の方々から温かい言葉をかけてもらうことができました。この共同研究はまだ続いていくので今後もかかわっていきたいと思っています。

  • 訪問学校の教室の様子

サンジョセフ校日本セクションでの学び

 パリでは現地校にある日本セクションで教員補助ボランティアの活動を行っていました。日本セクションでは、日本にルーツのある子どもたちが休み時間や放課後に、日本の教科書を使って国語や算数を学びます。年少の子どもから中学3年生まで幅広い子どもたちが所属し、日本語とフランス語を巧みに使いわけながら生活していました。サンジョセフ校の日本セクションは、在外日本人教育施設であり補習校と同じ部類になります。在外日本人教育施設についてだけではなく文科省が無償で教科書を支給していることなど知らないことが多く、たくさんのことを学ぶことができました。


  • 日本セクションの生徒さんたちと

OECDパリ本部での活動と経験

 私は日本OECD共同研究の日本事務局の一員でもあるため、パリにいる期間はOECDパリ本部でチームの方々と日本の教育やPISAの調査、国際共創プロジェクトについてなど多くの対話をしました。特にOECDのチームがどのようにワークショップをつくり、国際公務員としてどのようなことに注意しなければいけないのかなど、国際社会で活躍している方々の姿を近くで体験させてもらえたことで、自分の将来をより意識するようになりました。

  • OECD パリ本部にある日本国旗

  • ルーマニアで開催された国際会議への参加

  • OECD パリ本部

留学を通して感じること

 留学の形は人それぞれだと思います。トビタテ生の話や自身の留学活動の中で「新しい見方?考え方」を学びました。慣れない環境で1人でやっていくことが不安じゃなかったといえば嘘になりますが、それ以上のワクワクと発見にあふれていたからこそ、余裕をもって学びを深められたと思います。

最後に

 楽しいことだけじゃないのは当たり前、だからこそ不安やつらいことをどうやって受け入れるかを学んだ留学でした。自分の将来を考えるうえで大切にしたい自分の軸が得られたのは、1歩踏み出す勇気を持った過去の自分がいたからだと思っています。サポートとしてくれた周りの人たちのおかげで今の自分があると改めて感じながら、留学を通して学んだ経験をこれからに活かしていきます。

 

お問い合わせ先

国際交流推進センター(講義棟104)
TEL:082-830-1784

E-mail:iepc&m.hiroshima-cu.ac.jp

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